建築物の外壁診断


●熱赤外線装置法によるタイル外壁及びモルタル塗り外壁調査




 建物外壁仕上面が太陽の日射や気温の変動等の気象変化を受けると、その面の断面形状と材料の比熱及び熱伝導率等の熱特性の違いにより表面温度に差が生じます。

 赤外線映像装置による測定方法すなわち赤外線装置法は、建物の外壁タイルまたはモルタル仕上等の浮き部と健全部の熱伝導の相違によって生じる表面の温度差を赤外線映像装置によって測定し、タイルまたはモルタル仕上等の浮きの有無や程度を調査する方法です。

【赤外線装置法の特徴】

 (1) 非接触のため足場やゴンドラ等の仮設を必要としない。
 (2) 明るさに関係なく測定が可能。
 (3) 大壁面を少人数で比較的短時間に測定出来るため効率が良い。
 (4) 診断結果を熱画像として直接可視化した形で記録し、再生ができる。
 (5) 熱画像を解析することにより精度の高い診断ができる。

※BELKA「タイル外壁及びモルタル塗り外壁 定期的診断マニュアル」より抜粋

【JAIRA赤外線調査レベル】
   外壁の定期報告に目的を絞った赤外線調査に対応するために調査の迅速性と結果の信頼性の向上を考慮し、次のような調査レベルを設定した。

 (1) 建物、周辺立地等の情報から、事前チェックリストを利用し、赤外線調査の適否、利用可能な範囲・条件を迅速に判断。
 (2) 調査精度の安定化を図るために、撮影時の赤外線画像解像度は25mm/Pix以下と設定。
 (3) 調査精度の安定化を図るために、対象面との角度は外壁法線を0度とした時、光軸中心で撮影水平角±30度以内、撮影上下角±45度以内と設定。
 (4) 調査結果の信頼性の向上を図るために、撮影時の外壁温度の連続計測など、撮影温度条件等を明示。
 (5) 調査精度の安定化を図るために、赤外線画像の撮影、画像解析・診断は、それぞれの実務と経験を有した有資格者(サーモグラファーステップ1・サーモグラファーステップ2)が行う。
 (6) 調査結果の分かりやすい図面を作成し、定期報告資料に則した形式とする。
 (7) 浮き・はく離の全箇所の画像を記録保存し、定期報告以外の改修計画などの基礎資料に役立てる。

※JAIRA「特殊建築物の外壁診断における赤外線ガイドライン」より抜粋


◆平成20年4月1日から建築基準法第12条に基づく定期報告制度が変わりました

 定期報告制度とは、建築物や昇降機などの定期的な調査・検査の結果を報告することを所有者・管理者に義務づけることにより、建築物の安全性を確保することを目的としています。
 定期的外壁診断の時期としては、3年に1回の診断定期報告を行い10年ごとに全面診断を行い報告するとされています。
 福島県の特殊建築物は、建築基準法施行細則第12条で下記のとおり定めています。

昭和四十七年十二月二十八日 福島県規則第七十九号
(建築物についての定期報告等)
第十二条 法第十二条第一項の規定により指定する建築物は、次の表の(あ)欄に掲げる用途に供するもので、同一敷地内のその用途に供する部分の規模が同表の(い)欄に該当するものとする






●熱赤外線装置法 外壁計測事例

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 RC5Fのモルタル塗り仕上げの壁面を赤外線サーモグラフィにより調査した事例です。画像解析により、浮き部や補修跡と思われる変温部が確認されました。
 赤外線装置法は、足場を使用せず、広い範囲を短時間・低コストにて測定でき、壁面全体の健全部と変状部の違い・分布を判断する資料として、有効な調査手法です。





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