モルタル吹付け法面の老朽化診断


●吹付けのり面の老朽化診断

 赤外線サーモグラフィにより吹付のり面を撮影すると、吹付背後の状態によって吹付表面の温度状態は異なります。一般に空気の体積熱容量は土に比べて非常に小さいため、吹付背後に空気が介在する空洞部の吹付表面は、外気や太陽エネルギーの付加に対して敏感に反応し、温まりやすく冷めやすい性質となっています。逆に水の体積容量は非常に大きいため、湿潤部は温まりにくく冷めにくい性質をもっています。
 一方、常温付近の物体表面からは赤外線(波長3〜14μm)による熱放射が常に行われており、赤外線サーモグラフィを用いて、この熱放射量を平面的に検知し映像化することにより、吹付表面の温度分布状態を短時間に効率良く得ることで、吹付内部の地山性状を推測する手法です。

吹付のり面の地山性状と表面温度の一般的パターン
 吹付背後の性状深夜・早朝の温度日中の温度2時刻の温度変化
I空洞部低温特に高温温度変化が特に大きい
II土砂部低温高温温度変化が大きい
III湿潤部低温※特に低温温度変化が特に小さい
IV健全部高温やや低温温度変化が小さい
※冬期、地下水温が相対的に高い場合は日中、夜間において湿潤部が高温となる場合がある。

モルタル吹付け法面の表面温度を計測することで、以下に示す図のような現象が起きており、そのため当調査では法面が温まっている状態(高温時)と冷えている状態(低温時)の2回測定し、温度差(高温時―低温時)を解析して温度差の大きい部分を法面不良部として抽出します。



 吹付け部と地山の密着していない部分は、空洞部の空気層が熱遮断層となるため、高温時には吹付け部の放熱が大きくなり、低温時には小さくなる傾向があります。また、吹付け部の剥離等も同様の原理で、剥離した部分に空気の層ができるため地山⇔吹付け部の熱を遮断することになります。
 高温時・低温時の2 回測定から温度差を算出することにより、吹付け法面の不良部を抽出できるため、今までのように法面全面を調査する必要が無く、ポイントを絞った詳細調査や対策工を検討することができるようになります。



●赤外線サーモグラフィ計測事例

可視画像

低温時画像

高温時画像

温度差画像(高温−低音)

計測終了後、岩石崩壊発生








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